峰の露酒造「繊月」が日経新聞に取り上げられました。


記事内容は以下の通りです


昔ながらの製法にこだわり、原料も厳選した小さな蔵元が作る本格焼酎(しょうちゅう)の人気が高まっている。やわらかな口当たりとさっぱりとした飲み口がその秘密だ。酒税増税で焼酎も値上がりし、安いという印象は薄れたものの、飲み慣れた人たちは「高くてうまいもの」に一段と関心を寄せている。

「えっ、これが焼酎?」。薄暗い酒蔵の中で杜氏(とうじ)がオーク樽(たる)からついでくれた焼酎を見て、わが目を疑った。グラスに注がれた液体は「焼酎は無色透明」という先入観を翻し、琥珀(こはく)色に輝いている。

 味も年代物のシングルモルトウィスキー−のようなまろやかさ。アルコール度数も四十度強でほぼウィスキーと同じだが、飲み干すときにのどや胃をぴりぴりと刺激することはない。

 球磨焼酎の産地、熊本県人吉市にある峰の露酒造。もうすぐ創業百年を迎える焼酎づくりの老舗だ。米焼酎「繊月」などを作るが、生産の九割は九州内での消費。首都圏や関西ではほとんど無名の存在だった。だが、最近は状況が一変。「長期貯蔵したうまい焼酎がある蔵元」として注目を集め始めている。

 

 通常の焼酎は三ヶ月くらい貯蔵した後で出荷される。原酒を三年以上寝かせれば長期貯蔵を名乗れるため、そうした焼酎が市場には古酒として多く出回っているが、峰の露酒造では、貯蔵期間が三十年を超える古酒も販売している。

焼酎は米やサツマイモ、麦などのでんぷん質を原料に作る蒸留酒。長期貯蔵するほど複雑な香味が調和され、熟成される。

同社製品部長の大塚信義さんは「長く寝かせるとコクが出る一方で、味はまろやかになる。焼酎らしい荒っぽさが薄れるので古くからのファンの中には嫌う人もいるが、味が洗練される分、あまり焼酎を飲み慣れてない人には受け入れられやすい」と説明する。先ほど試飲したのは十五年間、寝かせた逸品。同社にはおよそ二十五万gの長期貯蔵酒があり、中には四十年超の大古酒もある。

樽のほか、土中に埋めた瓶(五百−六百五十g入り)に寝かせた焼酎も味見させてもらった。

 土中は年間を通じて温度変化が少なく、熟成環境には最適だ.瓶で寝かせた十年超の原酒は無色。味わいは日頃飲み慣れた焼酎とほぼ同じだが、口当たりはさっぱりしていて癖がない。大塚さんは「樽と瓶、貯蔵方法の違いで味も大きく異なる。どの古酒をどのくらいの比率でブレンドするかが杜氏の腕の見せ所」と話す。

一口に焼酎といっても製造方法の違いで甲類と乙類の二種類がある。地場の蔵元が昔ながらの手法(単式蒸留)で作る乙類焼酎が、本格焼酎と呼ばれている。日本酒造組合中央会(東京)課長の村松賢一さんは「八〇年代に焼酎ブームはあったが、五年程前から消費者の本物志向が高まった。最近は小さな蔵元が作るこだわりの本格焼酎の人気が高い」という。


当社の「繊月」のこだわりと、当社の歴史、古酒の豊富さなど、大変ありがたい記事でした。
これからも、当然のことながらこだわった純米焼酎を造りつづけていきます。

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